手首は、がっちりとお兄ちゃんに押さえられ、動けない。 「な、言えよ……。 彼氏、できたんだろ……?」 言いたくない。 お兄ちゃんにだけは 言いたくないよ……。 でも、言うしかなかった。 「うん…。 屋良 竜也くんって言うの。 転校してきたばっかの子。」 「……」 お兄ちゃんは無言だ。 私は続けた。 「でもねッ? 優しい人なの… だから、お兄ちゃんも心配しな…ッ!!!!!んっ!!」 強引にキスを奪われた。