お兄ちゃんと秘密のキス



初めて、二人で帰るから、やっぱりドキドキする。



だから、私たちの間には、一定の距離。







困ってる私に、

「手、繋ごう。」

って言ってくれたのは
屋良くん。



"優しいね"






素直に言えない言葉。



私はそっと胸にしまった。










「あ、家ここだから!
送ってくれてありがとう!」


「おう。また明日な。」




「あ、うん……」



なんだ。



それだけ…?



どこかで期待してた私は
軽く落ち込む。





もう、家に入ろう…


私が屋良くんに背中を向けた瞬間だった。