初めて、二人で帰るから、やっぱりドキドキする。 だから、私たちの間には、一定の距離。 困ってる私に、 「手、繋ごう。」 って言ってくれたのは 屋良くん。 "優しいね" 素直に言えない言葉。 私はそっと胸にしまった。 「あ、家ここだから! 送ってくれてありがとう!」 「おう。また明日な。」 「あ、うん……」 なんだ。 それだけ…? どこかで期待してた私は 軽く落ち込む。 もう、家に入ろう… 私が屋良くんに背中を向けた瞬間だった。