ゆりは、ただひたすら「ごめん。」と繰り返していた。



「私ね、怖かったの」


ゆりはうつむいてそう話した。



「私、イジメが嫌だった。最初はゲームって言ってたけど、本当はもう止めてほしかったの。」



この時のゆりの声は低く、かなりかすれていた。



「だけど、勇気がなかったの。『もう止めよう。』って言う勇気が。でもそんな時さきがイジメの標的なって、止めさせようとしたのでも。」



そう言って、ゆりの目から涙が溢れてきた。



「止めようって言ったり、さきと一緒に居るところを見られたら私もイジメられるっておもって怖かったの。」



私はそう言うゆりを見つめてることしか出来なかった。