「え…あたしは別にいいですけど…大丈夫なんですか??原田さんは」

驚いている莉奈に頷き返して、手を引いた。

莉奈のあの時の顔や声を、俺は忘れられない。

「ここで待ってり。金だけ置いてくる」

主任に金を置きに店に入ると、さっき以上に盛り上がっていた。

その中で波奈だけがやたら怖い顔で俺を睨み付けていた。

「すんません、俺帰るっすわ」

一万円を主任に手渡して、店を出ようとした時腕を捕まれた。

「あんた、新人とどこ行く気やねん」

波奈だった。

「別にどこでもええやろが。帰るだけじゃ、放せや」

波奈の手を振り放して出た。