舌打ちをして、中へ入ろうと莉奈に背中を向けた時。

「どうぞ。使って下さい」

そんな声が聞こえて振り返ると、莉奈が笑顔でジッポを差し出していた。

初めてまともに声を聞いた。

低めのハスキーな声だった。

「あ…ありがとう」

戸惑いながらの俺の返答に

「いえ」

優しく微笑んで莉奈は答えてくれた。

莉奈は見かけによらず愛想もよくて、優しい子だった。

そんな事を思った矢先、莉奈のジッポの柄に目が行った。