ぶちゅ、と触れた粟生の唇に
真っ赤な顔で瞼を開く。
そこには余裕の表情を浮かべる粟生の笑顔があって。
「やっぱ、お前のキスはお子ちゃまじゃのぅ。そんなキスじゃ、俺の嫁にはなれんけぇね。」
「え!?言ってる事違うじゃん!!」
あたしのめいいっぱいの勇気は無駄なキスになった。
「でも、」
「え??きゃ、」
ふいに聞こえた粟生の声に顔を横に向けると
「俺はそのお子ちゃまキス、好きじゃけど。」
と、回転した景色。
いつの間にか、ソファに押し倒されたあたしの上には、優しく笑う粟生が見下ろしていた。
「結婚なんかせんでも、お前は俺だけのもんじゃけぇね。」
「あ、粟生…、」
「誰にも渡さんけぇ。」
重なった粟生の体重が、あまりに甘美だった。
―――あたし達の恋は
秘密。
教えて欲しかったら、来てみんさい。
決して触れてはいけない
花火を。
あたし達の、恋花火に
触れてみる?
fin,

