キミがいること

午後の1番最初に美波の出る借り物競走が始まったから俺は給水所のところから見ることにした。


美波が走ったのは8番目でその列の誰よりも足が速かった。


それは小学生の頃から変わってない。


お題が入った赤いダンボールの中から美波がお題を引くと、キョロキョロし始めた美波は俺の顔を見て走ってきた。


「雄大、ちょっと来て!」


そう言って俺の手首を掴んでゴールした美波。