美波side

階段を上がる音がしてドアが開いて雄大が部屋に入ってきたからわたしは飛び上がるように起きた。


「おかえり〜!」といつものように雄大に言ったつもりだった。


雄大は持っていた鞄を床に置いて私の座る隣に腰を下ろして


「何かあったのか?」


と言った。やっぱり雄大は気付くよね…?


私のちょっとした変化に気づいた雄大に私は泣いてしまいそうだったから下を向いた。


雄大はいつもそうだ。


私が言わなくても私の変化に気づいてくれる。