キミがいること

「俺はいなくなったりしないから…」


と言って美波を強く抱きしめると、美波も俺の背中に手をまわして俺の制服の袖をギュッと掴んだ。


「俺はいなくなったりはしないよ…」


美波に言い聞かせるように優しく言った。


菜津子さんは次の日、イギリスに旅立った。


もう日本には戻ってこないと言って…


菜津子さんは美波にもっと他にかける言葉があったはずだ。