「カズ。じゃあ、これ何?」
亜弥香は、カズという人に、
ケータイを見せつけていた。
それは、私にキスをするところだった。
「いや、それはこの女が誘ってきて…。」
「誘ってるってことは、
その誘いに乗ったってことね?」
「いや、それは…。」
「碧叶くんから聞いたよ。
星莉ちゃんをナンパしたことも。
星莉ちゃんとカズからキスをしようとしたことも。
そんな人だと思わなかった。
最低。さよなら。
もう連絡してこないで。」
「いや、待ってくれよ!亜弥香!」
「何?今更言い訳?前から知ってたよ。
カズが浮気してたの。
だから、もう終わり。
カズ。好きだったよ。」
亜弥香さんは歩き始めた。
私たちはその後ろ姿を見ることしかできなかった。

