夕陽の下





「きらちゃんって言うんだ。



かわいい名前だね~♡」



「きらを離せ。」



「お。それが本性?




強い女。いいじゃーん。




めちゃくちゃにしたい。」






すーは元ヤンキー。



中学生のとき、



学校では有名なヤンキーだったらしい。




でも、碧叶くんと付き合い始めて変わったみたい。



「離せよ。」



「怖ぇ〜。ま、遊ぼうぜ!俺らと。」




と、言って、



すーの手首を掴もうとした、



そのとき。





「離せよ。」



「???」



男の人の声が聞こえた。




その人は…。




夏静先輩。




「先輩…?どうしてここに…?」




夏静先輩は、




大学生には見えないように




シッと人差し指を口元に当てた。




私は無意識に頷いていた。




「きらとすーを離せ。」



「誰だ?お前。」




「俺が誰だろうとお前らには関係ないだろ?」




「まぁ、どうでもいい。



お前ら、行くぞ。」




「きゃっ……!!!」




大学生は私の手首を掴んだまま、



歩き出した。