…‥〜… 〜‥ 「…?」 架藍の耳に微かな笛の音が届いた。 「どうされました?」 「いや、…。今何か聞こえなかったか?」 「…いえ。…私には何も。」 「そうか―――…。」 (今のは私の空耳だったのか――?…だが確かに笛の音が……。) 微かに届いたそれが玖葛のものだとは今の架藍には知り得ない事であった。