涙ーありがとうを君にー



「違うよ?

琥珀悪くないんだよ?

あたしが、
安心して勝手に泣いているだけなの〜」

そういってまた泣き始める瑞穂をみて、


「「「可愛いなあ」」」

と、三人がハモる。



「さて、湖咲。

いつからこんなんなんだ?」

と、瑠璃が尋ねる。

「今朝は普通でしたけど、いつもより、
顔が赤くて、元気過ぎるなあ位しか…」

湖咲が首を傾げる。

「湖咲、瑞穂おぶってってくれる?

琥珀は歩けるね」

「「へっ?」」

成宮兄弟は口を開けている。

「瑞穂、多分風邪ね。

何年ぶりかしら…?

熱だすと壊れるの、
このコ。

皆の前ではしっかり元気でいるんだけどね」

「知らなかった…」

湖咲は相当ショックをうけている。

それをみて、琥珀はニヤリと笑った。

「湖咲は瑞穂のコトが好きなんだねぇ」

琥珀の一言でさらに静かになった湖咲。



瑠璃は溜め息をひとつついて、

「さあ、帰ろうか」

瑠璃の一言で四人は帰る事にした。

「瑞穂、立って。

湖咲がおんぶしてってくれるってさ。

よかったね〜」

瑠璃はそう言いながら湖咲のところまで、瑞穂を引っ張ってくる。

湖咲がしゃがむと、
ふわっと、瑞穂が乗っかる。

立ち上がると、

「やったあ〜

おんぶだ!おんぶ〜」

瑞穂ははしゃいだ。

「ギュ〜っ。

湖咲〜だあ〜い好きぃ〜。
おねえちゃんとおにいちゃんもだい好き〜

ふっふ〜」


湖咲はギューをされて「大好き」と言われて、
顔はおろか耳や首まで赤くなった。

一方、姉と兄はクスクスと肩を支えながら後ろから歩いていた。

家に着くまでに何度もギューをされ家につくまで、琥珀と瑠璃はわらいを堪えていた。