「だから、ただいま、澄佳」

叶多がもう一度、言う。私ももう一度、何度でも、言った。

「……おかえり、叶多」

ちゃんと、手の届くところに、叶多がいる。それだけで、何度でも泣いてしまいそうになるくらい、嬉しくて。

また私の目尻に浮かんだ涙を、叶多が笑いながら、指で拭き取ってくれる。そのぬくもりが、こんなにも嬉しくて、こんなにもいとおしい。

──例えば星をつかめるとして、私が願う、望みとは。

叶多はもう星ではないけれど、私とってはいつでも、明るくて、けれど優しい、星のようなひと。

この手を、ずっと繋いでいけますように。ううん、ずっと、繋いでいくんだ。

いつか希(こいねが)った『例えば』が、本物になった。それはきっと、私と叶多の、望みが重なったからに他ならないと、私はそう、信じている。







「……そうだ澄佳、言おうと思ってたんだ。あのね、好きだよ」

「……っあのさあ、前触れもなくそういうこと……。……私も、好きだよ」



──こんな日々が、永遠に続きますように。







─Fin─