彼女と彼らの6ヶ月の物語




―――――――――――…ガチャ

「え?」

「何だ?」

何だってだって、竜也さんのお部屋1802。
この2ヶ月間ずっとそっちしか入らなかったのに、今目の前で開けられたのは1801。
「あの……部屋、あっちじゃないんですか?」

「は?あぁ、あっち竜也の家。こっち俺の家。分かるか?」

「あ、はい。それじゃあ失礼します。」
若干脳内が混乱したまま返事をして初めて隆友さんのお家に入った。


スタスタと長い廊下を進む隆友さんの背中を追いつつ、キョロキョロと周りを観察した。
そしてリビングに入り、わたしが発した言葉は……
「うわぉ……」

お部屋の中は黒じゃないの壁と電気くらいなんじゃないかってくらい黒で統一されていた。

「竜也さんのお部屋は白で、隆友さんは黒なんですね。そこも真反対……。」
そう呟くと、そう言えばそうだったな。と隆友さんは言った。
竜也さんのお部屋が寂しそうに感じたのは壁の白と家具の白が同じだったからかなぁ…。
なんて思った。