「そんなに抱え込まないで。」
「え?」
由紀は急に真面目な顔つきになった。
「凛はさ、彼氏つくって危ない目に合ったでしょ?結果的には未遂に終わったけど、やっぱり傷つくだろうし。それに、この前は気にしてないって言ってたけど、周りに迷惑かけたら……とか思ってない?お兄さんは永久的に心配しそうだけど、ゆきは凛に好きだと思える人ができたら良いなぁって思ってるよ?」
「さすが由紀。ありがと。」
……ほとんど図星。
「ふふっ何年親友やってると思ってるの?実際ね、ゆきは彼氏いて幸せ。好きな人がいて、その人が自分のこと好きでいてくれてるって思うだけでも幸せだよ!」
今のはノロケじゃないよ?と笑いながら続けた。
「考えてみて?自覚してないだけで意識しちゃってるんじゃない?」
「うーん、じゃあ、初めて隆友さんが笑った時とか昨日抱きついた時とかに感じたドキドキは……あたしが隆友さんのこと好きだから?」
「笑った顔を見たのがきっかけで惚れて、昨日竜也さんに言われて自覚してさらにドキドキしちゃったんじゃない?」
そう言われてやっと気づいた。
あたし、隆友さんのこと好きだったんだ……。

