「痛い...なんで私なの...なんでなのねぇ、お父さん、お母さん...」

まるでゴミを見るような目で両親から見下ろされている。

「やめろ!お前は俺達の娘じゃない!!俺達の娘は絢だけだ!!」

勝ち誇ったような顔の妹。どこでもいつでも愛される。むしろ、愛されない方がおかしい、っていう考えなんだろう。


「出ていけ!!!」



そして今日ついに、長い歳月続いた虐待から逃れられた。

それと同時に親、家族、住む家、居場所、名字。すべて失った。


残ったのは、名前と肩書き。