カワイイ子猫のつくり方

「そういえば旦那さま。今回、少しはごゆっくり出来るのですか?」

そんな千代の言葉に、朝霧父は申し訳なさそうに眉を下げた。

「それがね、実は明日の朝イチで病院の方に戻らなければならないんだ。外せない大切な会議があってね。その際に必要な書類が家にあるので今日はそれを取りに戻ったんだよ」

「まあ!明日の朝一番でございますか?それはまた、随分とお早い…。少し位ゆっくりされる時間がありませんと、お身体に毒でございますよ。どうかあまり無理なされませぬよう気を付けてくださいませ」

「ありがとう、千代さん。気を付けるよ」

千代は朝霧の父にとっても、まるで母親のような存在であるようだ。

「お風呂のご用意も出来ておりますよ。今夜ぐらいは、ごゆっくりされたらいかがですか?」

「うん、そうだね。それじゃあお言葉に甘えて久々の我が家の風呂に、のんびり浸かって来ようかなぁ」

そう言って立ち上がり、軽く伸びをしたその時。

突然思い出したというように朝霧を振り返った。

「…そうだった。そう言えば伊織くんに聞きたいことがあったんだった」

「…聞きたいこと?」

「実は先日、うちの病院に救急搬送されてきた女の子がいたんだけど…」


(……え?…)


「その子伊織くんと同じ学校でさ、確か学年も同じだったと思うんだよね。何か話とか聞いてないかな?」