「あらあら、誰かしら」
直ぐに電話の元へと向かい、応対している千代の声が暫く奥の部屋から聞こえていたが、話を終えるや否や彼女は嬉しそうに戻って来た。
「伊織坊ちゃま、明日旦那様がお帰りになられるそうですよっ」
「…親父が?」
朝霧の反応には僅かに驚きが含まれているようだったが、その表情はいつもの仏頂面だった。
(朝霧のお父さんって、どんな人なんだろ…)
翌朝、実琴は朝霧の部屋のソファの上で丸くなって考えていた。
傍では千代が慣れた様子で、先程から鼻歌なんかを歌いながら部屋の掃除に取り掛かっている。
朝霧は既に学校へと出掛けて行った後だ。
本当は今日も学校へ行こうかと思っていた。
昨日のように朝霧のポケットに強引に入り込みさえすれば、もしかしたら朝霧は「仕方ないな」っていう態度をしながらも自分を連れてってくれるのではないかと思ったから。
でも、そんな行動を読まれていたのか今朝、朝霧に何気なく釘を刺されてしまった。
「外へ出る出ないはお前の自由だ。だが千代さんが、また心配して大騒ぎするかもな?ああ見えてあの人は結構なお年なんだ。あまり心配掛けるのは酷だぞ」
そう言って、最後にニヤリと人の悪い笑みを浮かべて。
(でもって、そんなこと言うわりには、ちゃっかりベランダの窓は開けて行くっていう…。イヤミかっ!?可愛い子猫を惑わして何か楽しいんかーっ!!)
実琴は、朝霧の余裕そうな笑みを思い出してソファの上でひとりゴロゴロと転がって悶えた。
直ぐに電話の元へと向かい、応対している千代の声が暫く奥の部屋から聞こえていたが、話を終えるや否や彼女は嬉しそうに戻って来た。
「伊織坊ちゃま、明日旦那様がお帰りになられるそうですよっ」
「…親父が?」
朝霧の反応には僅かに驚きが含まれているようだったが、その表情はいつもの仏頂面だった。
(朝霧のお父さんって、どんな人なんだろ…)
翌朝、実琴は朝霧の部屋のソファの上で丸くなって考えていた。
傍では千代が慣れた様子で、先程から鼻歌なんかを歌いながら部屋の掃除に取り掛かっている。
朝霧は既に学校へと出掛けて行った後だ。
本当は今日も学校へ行こうかと思っていた。
昨日のように朝霧のポケットに強引に入り込みさえすれば、もしかしたら朝霧は「仕方ないな」っていう態度をしながらも自分を連れてってくれるのではないかと思ったから。
でも、そんな行動を読まれていたのか今朝、朝霧に何気なく釘を刺されてしまった。
「外へ出る出ないはお前の自由だ。だが千代さんが、また心配して大騒ぎするかもな?ああ見えてあの人は結構なお年なんだ。あまり心配掛けるのは酷だぞ」
そう言って、最後にニヤリと人の悪い笑みを浮かべて。
(でもって、そんなこと言うわりには、ちゃっかりベランダの窓は開けて行くっていう…。イヤミかっ!?可愛い子猫を惑わして何か楽しいんかーっ!!)
実琴は、朝霧の余裕そうな笑みを思い出してソファの上でひとりゴロゴロと転がって悶えた。



