カワイイ子猫のつくり方

自分の家の場合は、狭い分家族四人揃って食卓を囲えばテーブルの上は然程料理の品数が多くなくとも皿が所狭しと並び、人口密度も必然的に高くなる。

それでも家族皆が顔を合わせ、何気ない会話をしながらの食事は穏やかで何処か温かいもので。そういう時間が自分は好きだった。

そんな自分にとっては日常的である家族との団らん風景が、この家にはなかったのだ。

少なくとも、この二日間は。


(流石に、いつもって訳ではないのかも知れないけど…)


それぞれの家庭の事情があるのは勿論解っている。

それでも、どこか慣れたように平然と一人でテーブルに着いている朝霧を見ていると、何故だか言いようのない切なさが込み上げて来るのだった。


(…朝霧)


実琴は堪らなくなって千代の腕の中からするりと抜け出すと、そのまま朝霧の座る椅子の横にちょこんと座った。

「あらっ?猫ちゃん、急にどうしたの?」

それに答えるように実琴が「みー」と小さく鳴くと、千代は嬉しそうに両手を合わせて言った。

「もしかして…そこでお食事したいの?猫ちゃんは坊っちゃまのことが大好きなのね。でも…そうよね、お食事は誰かと一緒の方が美味しいものね。今ミルクを温めてくるから良い子で待っててね」


千代には自分の言いたいことが伝わったらしい。

ちょっぴり嬉しくなって何気なく視線を上げると、朝霧が物言いたげな表情でこちらを見下ろしていた。