カワイイ子猫のつくり方

実は、意識が戻っていないと知って少しだけホッとした自分がいた。

(そんな私って最低、かな…)

実琴は窓の外を眺めながらうずくまるようにした。


子猫の安否は勿論気になる。

でも、逆に目覚めていない今ならまだ間に合うのではないかと思ったのだ。

(それに、今の私と同じように猫ちゃんが自らの意思を持って『実琴』の身体で動き回っていたら…)

ハッキリ言って怖い画しか浮かばない。


実琴の頭の中には、自分自身が四つん這いで生魚をくわえて走り回っている姿が浮かんでいた。

(いや、それじゃただのイタイ人だから!)

そんなある意味恐ろしい想像を打ち消すように、実琴は頭をぷるぷると振った。


でも猫になった自分は、自身の意識はそのままでも二足歩行出来ないし、人の言葉も話せない。そして逆に猫の言葉を理解し、話せている。

(ってことは、猫ちゃんも人の言葉を話せるのかも?)

だが結局は、傍についているであろう家族を認識することも出来ず、頭の打ちどころが悪かったなどと色々検査に回されてしまいそうだ。

(そうなったら猫ちゃんは…知らぬ場所で見知らぬ人に囲まれて、きっと不安になっちゃうよね…)

それこそパニックに陥ってしまうかも知れない。


(だって、まだこんなに小さいんだもの…)


実琴はガラス窓に映る自分の姿を見つめた。

そこには、ふわふわの幼い子猫が不安げな瞳を揺らしている姿が映し出されていた。