カワイイ子猫のつくり方

実琴も同じクラス二年目ということもあり、わりと話せる方ではあるのだが、その分容赦ない毒も散々浴びて来た訳で…。

人の気持ちを何とも思っていないような、その冷酷極まりない振る舞いに好感なんぞ持てるはずもなかった。


さっきだって、そうだ。

一応、朝霧のお陰で収拾がついたので、HRの時間に席に戻る際、実琴は素直な気持ちで一言感謝の言葉を掛けた。

「さっきは、ありがと。アンタには助け船のつもりなんてなかったんだろうけど結果的に助かったから…」

すると、朝霧はチラリとこちらに視線を向けて口の端だけ上げると言ったのだ。

「お前の大口開けた怒鳴り顔を眺めていても面白かったんだが、流石に飽きた。それだけだ」


(ううぅ…思い出すだけで、ホントにムカつく!)



実琴は昇降口まで辿り着くと、上履きを脱いでそれを下駄箱に差し込むと、取り出した革靴を乱暴気味に足元へと落とした。

人気のない昇降口に僅かに音が響き渡る。

そうして靴を履き終えると、ゆっくりと外へと踏み出した。

もう門へと続く並木道に、殆ど人は見当たらなかった。


(それでも何だかんだ言って、皆を纏める力…持ってるんだよなぁ)


その統率力は嫌でも認めざるを得ない。

でも、逆にそれこそが実琴自身面白くないと感じている理由でもあった。