カワイイ子猫のつくり方

急にどうしたというのだろう。

(私、何か不自然なことした…?かな?)

実琴は内心で慌てながらも、その鋭い視線を目の前に硬直した。

何を考えているのか読めない瞳。


すると、朝霧がぽつり…と、表情を変えずに呟いた。

「お前…」


(…えっ…?)


何を言うつもりなんだろう?

実琴は、思わず目を丸くした。

だが…。


「メスか…」


『はあっ!?』

瞬時にカチン!と来て。

実琴は、すぐ傍にあったその手にガリッ…っと噛みついてやった。

(最っ低ッ!!)


「つっ…」

突然牙を剥き出した子猫をうっかり取り落としそうになり、慌ててその身体を再び手の中に収める。

「危ないだろっ。落とすとこだぞっ」

一瞬だけ必死さを見せた朝霧に。

『いーーだ!!デリカシーのないアンタが悪いっ!』

実琴は心の中で、あかんべーをした。

小さな子猫の身を心配して慌てて抱えてくれたのは有り難いが、実琴的にはそれどころではない。

(ホント信じらんないっ!!)



朝霧は目を大きくしてこちらを見下ろしていた。

「みーっ!にゃあにゃあみゃあっ!」

「危ないだろっ」と言ったことに反論するように、突然鳴きだした手の中の子猫を物珍しそうに見つめている。

『…なによ。文句ある?』

内心で頬を膨らませながら、実琴は朝霧を睨み上げた。