カワイイ子猫のつくり方

だが、千代は呆れた口調ながらも実際は可愛くて仕方がないという表情をしていたので、それだけがまだ救いかも知れない。

その後、子猫を連れたまま朝霧の部屋へと上がらせて貰った。

「後でお茶を持って行きますね」と笑顔で千代が見送ってくれた。


その数分後。

実琴は再び恐縮しながら、朝霧の部屋のソファに座っていた。

(うう…。ネコちゃん会いたさに簡単に来てしまったけど…。流石に男の人の部屋に通して貰うのって何だか凄く緊張する…)

その手に子猫を抱えているので、手持ち無沙汰でないだけマシだったけれど。

ある意味見慣れた部屋ではあるし、このソファだって何度も乗っていた場所だ。

だが、朝霧の部屋は広すぎて何処か落ち着かないし、子猫の時より目線が上になった分、机やベッドなど朝霧の生活圏が見えてしまうというか…妙にリアリティを感じてしまい、目のやり場に困ってしまうのだ。

そんな実琴の心中を知る由もない朝霧は、ワイシャツのボタンを上から二つ程開けたラフな格好で、窓際に寄り掛かりながら実琴と子猫の様子を見つめていた。

「そうしてると大人しいもんだな。やはり辻原とは特別な繋がりがあるのかもな」

「そう…なのかな?」

確かに腕の中で大人しく撫でられている子猫を見ている限り、やんちゃな様子は見られない。

「ま、コイツが『ミコ』と反応が違うのは当たり前だよな。ミコはお前だったんだから」

「うん…」

それは確かにその通りだと思う。