カワイイ子猫のつくり方

「あら、珍しく話が分かるじゃない」

「父さんには気の毒ですが、こうしている時間も惜しいですからね」

僅かに肩をすくめて見せる朝霧に、朝霧父の恰好をした守護霊さんは満足げに頷いた。

「そうよね。そうと決まれば、すぐに病棟の方へ向かいましょう。私が案内するわ」

その言葉に。朝霧もポケットの中の実琴も小さく頷くのだった。




病室へと向かう途中、他に人の乗っていないエレベーターの中で実琴は小さく口を開いた。

『あの…守護霊さん、私なんかの為にわざわざ協力していただいて…ホントにありがとうございます』

ポケットから僅かに顔を出して小さく頭を下げると、守護霊さんは優しく微笑みを浮かべた。

「いいのよ。全然気にしないで。困っているのを見ていて放っては置けないもの。それに…こんなこと長年守護霊やってたって、なかなか目にすることがないわ。何とか無事あなたが戻れる所を私も見たいのよ」

すると、そんなやり取りを見ていた朝霧が訝しげに呟いた。

「霊をやってると猫の言葉も判るようになるものなんですか?それとも、こいつの場合は特別?」

(あ、そうか。朝霧には、お父さんの姿をした守護霊さんが「にゃーにゃー」言ってる猫と話してるようにしか見えないんだ)

それも、姿も声も父そのものなのに言葉使いが女っぽいっていう違和感。

朝霧にとっては、きっと不思議な…。ある意味、異様な光景に見えるに違いない。