木々がザワザワと揺れる。
湿った風に吹かれながら、実琴はストレッチャーに乗せられて運ばれていく自分の姿を不思議な感覚で見つめていた。
だが、救急車に乗せられて何処かの病院へ運ばれて行くのだという事実を今更ながらに再認識して、慌てて後を追いかける。
今『自分』と離れる訳にはいかない。
(どうにかして、早く元にもどらなくちゃ!)
そうして素早い動作で救急車へと飛び乗ったのだが。
「わっ何だッ?この猫!」
「あっコラッ!」
「そっちへ行ったぞっ!捕まえろッ!」
早々に見つかってしまい、バタバタと隊員と格闘の末、救急車から締め出されてしまった。
そうして、すぐにサイレンを鳴り響かせると、救急車は走り出す。
『待って!置いてかないでっ!』
叫んでも届かない『声』。
「にゃあ…みゃあっ」
それは言葉にさえならず。
焦って車を追い掛けようとするが、気持ちばかりが逸り、足が空回りして上手く走ることすら出来ない。
結局、小さな石につまずくと地に倒れ込んでしまった。
そんな実琴の頭上からは、とうとう灰色の空より大きな雨粒が落ち始め。
周囲に集まっていた野次馬の生徒達も、あっという間に方々へと散って行くのだった。
湿った風に吹かれながら、実琴はストレッチャーに乗せられて運ばれていく自分の姿を不思議な感覚で見つめていた。
だが、救急車に乗せられて何処かの病院へ運ばれて行くのだという事実を今更ながらに再認識して、慌てて後を追いかける。
今『自分』と離れる訳にはいかない。
(どうにかして、早く元にもどらなくちゃ!)
そうして素早い動作で救急車へと飛び乗ったのだが。
「わっ何だッ?この猫!」
「あっコラッ!」
「そっちへ行ったぞっ!捕まえろッ!」
早々に見つかってしまい、バタバタと隊員と格闘の末、救急車から締め出されてしまった。
そうして、すぐにサイレンを鳴り響かせると、救急車は走り出す。
『待って!置いてかないでっ!』
叫んでも届かない『声』。
「にゃあ…みゃあっ」
それは言葉にさえならず。
焦って車を追い掛けようとするが、気持ちばかりが逸り、足が空回りして上手く走ることすら出来ない。
結局、小さな石につまずくと地に倒れ込んでしまった。
そんな実琴の頭上からは、とうとう灰色の空より大きな雨粒が落ち始め。
周囲に集まっていた野次馬の生徒達も、あっという間に方々へと散って行くのだった。



