カワイイ子猫のつくり方

すっかり揶揄われているということに多少の不満は感じながらも。

朝霧が何だか楽しそうに笑っているから…。

『もうっ…』

大袈裟にふくれっ面で見上げながらも、どこかそんなやり取りにホッとしていた。

果たして猫の外見で『ふくれっ面』が表現出来ているかは謎だけれど。


「ま、百歩譲ってお前が辻原だと認めるにしても、そもそも何でこんなことになってるんだ?」

朝霧は何だかんだ言いながらも、私の言葉を信じてくれているようだった。

そして、子猫の身でも上手く言葉を伝えられるように、パソコンではなく紙に平仮名全てを書き出し、それを前足で指し示すことで読み取れるように工夫してくれた。

いわゆる筆談形式の会話方法だ。


「わ、か、ら、な、い  ね、こ、を、か、か、え、た、ま、ま…」

紙の前に座りながら、一文字一文字指し示していく。


『猫を抱えたまま木から落ちて、気付いたらこの姿だった』


「ふぅん…。そんな不可思議なこと、本当にあるものなんだな」

少しの間を置いて朝霧が溜息を吐きながら言った。


『信じられない?よね…?』


文字を指し示した後、窺うように朝霧を見上げると。

朝霧は顎に手を添えて考え込むような仕草のまま、実琴に視線を合わせてきた。

「簡単には信じらないようなことだが、実際お前には起きてることなんだろうからな。信じるしかないだろう」

今度は揶揄うことなく肯定してくれる。


(…朝霧…)