カワイイ子猫のつくり方

朝霧がパソコンを操作し始めるのを、実琴はどこか諦めたような面持ちで眺めていた。


無言でカーソルを動かしていく朝霧。

どんな顔をして、今…それを操作しているんだろう?

気になるけれど、それを知るのは怖くて…。

とてもじゃないけど、朝霧を振り返ることなんて出来なかった。



…沈黙が続く。


小さなパソコンのモーター音と、キーを操作する微かな音だけが静寂に包まれた室内に響いていた。

画面を見ているのも落ち着かなくて、ただじっ…と朝霧がそれを読み終えるのを俯いたまま待つ。

大した時間は経っていない筈なのに、随分と長い間そうしているような感じがした。

(まるで判決を言い渡されるのを待っている、罪人みたいだ…)

実琴は自ら浮かんだ洒落にならない発想に、思わず心の中で苦笑を浮かべた。



…と。その時。

背後で朝霧が息を呑むのが分かった。



「……マジか…」



小さな呟きが聞こえて、実琴はより一層身を固くした。

何らかの反応が来ると思って『超』が付く程緊張していたのに、それから暫くの間、再び沈黙が続いて実琴は逆に不安になった。

(…あさぎり…?)

ちゃんと伝わらなかったのだろうか?

後ろを振り返ろうか、どうしようか迷っている所に。



「おい」


今度は、しっかりと呼び掛けられた。

緊張で身体が縦に揺れる。知らず背筋が伸びた。


「お前…本当に辻原、なのか…?」