バス停に着く。 そこには自分以外誰もいない。 芳樹が先にこの場所に立っていたことも、自分が先に着いていた場合も、ココまで一緒に歩いたことも。 志保はバスの定期券を取り出そうと、かばんの中を探った。 すると中からちぎれたミサンガが出てきた。 「・・・」 ―心残りだよ― 最初は、本当に幸せだった。 ―私の願いはこんなコトじゃなかったのに― 弱い自分が悔しくて、また涙が出てきた。