一年近くたったある日、志保のミサンガが切れた。
そしてすぐに母から連絡がくる。
「え?」
祖母が倒れた。
そんな知らせだった。
突然のことでショックを隠し切れない。
祖母の様態がきになる。
命には問題ないらしいのだが・・・。
「まりえちゃん、実はね・・・。 お婆ちゃんが倒れたの。 それで、私、実家に帰らなくちゃいけなくなったんだ」
「お婆ちゃん大丈夫なの?」
「わからない。 でも寝たっきりになるかもしれなくて、お母さんが帰ってきて手伝いをしてほしいって」
「そう・・・」
「もちろん最初は断ったけど、急には無理だって。 まりえちゃんに迷惑かけちゃうから」
「それは仕方がないよ」
「うん・・・。 でも次のルームシェアしてくれる人が現われるまでお金は払うから・・・。 ごめんね」
「ごめんねなんて・・・」
まりえは志保に心配しないよう、にこやかな顔で首を横に振った。