「…それは1人で行くべきじゃないね」


アレフは冷静につぶやいた。


「魔力枯渇して動けなくなったら危ないからな。私も一緒に行く」


アクアは当然のように言った。


「俺も行く」


ルイスも当然のように言う。


「あ、じゃあ俺も」


「「「お前は留守番」」」


「なんでだよ!」


アレフとルイスとアクアにそう言われたリューロはショックを受けた。


「足手まとい」


「怪我しちゃうだろ?」


「僕と留守番しておこう」


「ごめんねリューロ」


アクア、ルイス、アレフ、サーラの順でそう言われたリューロは倒れた。


「いつ出発するんだ?」


「今から行こうかなーって」


「じゃあ俺も準備してくるよ」


「サーラ、ついでにドラゴンの鱗剥いでくるといいよ」


「本当だ、強い防具と武器が作れるわ!」


ちょっと買い物してくるーというくらいの気軽さでする会話じゃない。

この中で1番常識人に近いリューロは心の中でそう呟いた。



コンコンコンッ…



『サリスティー様、こちらですか?』


ドアの外から聞こえてきたメイドの声に、サーラは嫌な予感がした。


「はい、どうしましたか?」


『グローシア様がお呼びです。支度いたしましょう』


サーラはため息をついた。

ドアを開いて振り向き、不安そうな顔をしているアクアに微笑み、ドアを閉めた。


「このままでいいわ」


「そういうわけにはいきませんわ。セレスディア家の当主にお会いになるのですもの」


「自分の祖母に会うだけです。このままで参ります」


いつも通りの、長い金髪をポニーテールにした白いアーマーの美しい魔法剣士の姿で。


サーラはメイドの制止を無視してグローシアの部屋に向かった。