柚時雨




 公園に入ると

 乾けばサラサラの砂だろう。

 だが、雨で焦茶色に染まり

 泥土と化した地面が

 俺の足の下敷きになった。



 どこをどう見ても

 あの子は見つからない。


 ただ、見つかったのは………






 ブランコを支える鉄柱の側に

 今朝、あの子が吹いていたと思われる

 しゃぼん玉の容器が置いてあった。



 中にはもう、しゃぼん液は無く

 雨水が溢れそうに入っていた。



 俺は、ゆっくりしゃがんで

 その容器を手に取った。


 それは、俺もよく小さい頃に

 母にいつもねだって買ってもらった

 定番のしゃぼん玉セットのもの。


 黄色いフタと黄緑色のパイプは

 地面にそのままある。

 土が少しだけ、それらに付いていた。