「――でもっ」

「ん?」


「私がもしほんっとーに辛くなったときとか、ほんっとーにダメなときは愚痴きいてくれる?」


 北村君は私の言葉に少し驚いて居たように見えたけど、すぐにくっと笑う。


「……まぁ、それが友達の役目なんだろ?」

「うん」



「――なら、仕方ないから聞いてやる。
 
 でも今からそんな弱音はいてこの先やっていけるのか?」


 
 さっきから教室の窓から春風が入り、カーテンが波のように揺れる。

 カーテンの外の世界はまるで今の私の気持ちなんてまるで知らないように感じられて、私たちだけ違う場所にいるみたいだった。

 
 
「……ねぇ、聞かせてよ。
 それで私が弱音をはくか、北村君が確かめてよ」


「え――?」




「私、知りたいんだ。
 
 ……一之瀬君のこと」