君色キャンバス


“一之瀬君の夢を壊したくない”――。


 そう思って進むことを恐れた。

 けどね、大切なのはそんな気持ちなんかじゃない。


 たった一つのことを信じて突き進めばよかったんだ。



 
 一之瀬君が“好き”だってこと――――。



「私、やっぱりこんな場所にいられない。

 ……カッコ悪くても、馬鹿に思われても……、一之瀬君のことを壊してしまっても……好きなの。大好きなの。


 北村君、私行く!!」



 走り出した足。

 向かう先は大切で、愛しい人のもと。



 走り出せ――!


 私の足が桜の花びらを蹴った。


 * * *