一之瀬君の幸せを奪おうとしてる……――。


 ずっと一之瀬君は絵が好きで、
 お父さんの過去さえも乗り越えようとしていて、


 やっと自分の個展さえも開けるくらいの絵描きになるのを、私の行動一つで全部壊してしまう。


 そんなの……


“ 出 来 な い ”



 

 涙が一粒落ちた。

 一粒落ちると、また落ちる。


 感情が痛い。

 痛くて、痛くて、止まらない。

 

 ……ずるいよ、北村君。

 絶対私と一之瀬君が繋がってること、見透かしたんでしょう?


 あんなメール見れば、誰だって……


 逢いになんか行けなくなる。