青い涙〜君と同じ空を〜

調理室。

ここで新入部員の紹介パーティーがあるんだよね。

勢いよく扉を開けると、みんなの視線が私へ向くのが分かった。

ペコッと礼をして、あいてる席に座る。

横には女の人もいて。

すごくスッとしたひと。

なんて言ったらいいんだろうか。

黒く艶やかな髪はゴムでポニーテールにしばっている。

まっすぐ、ピンと伸びた背筋。

キリッとした瞳。

じぃっと見ていたらその先輩は私に気づいた。

びく!

うわ、目があってしまった!

そしたら、その先輩は優しく、顔をくしゃりとさせて笑った。

素敵な先輩だなぁ。

この人もマネージャーだよね。

ガラっ。

川村先生が入ってきて、

「よっし!新入部員、全員前に来い!」

私は立ち上がって前に立つ。

ドキン、ドキン……。

心臓バクバクだ!

「じゃあ、端っこから!住田!」

先生のハキハキとした掛け声で新入部員である住田くんが喋る。

「はい!…住田裕也です!よろしくお願いします!」

住田くん、なんか、すごい。

背筋ピン!声ハキハキ!

かっこいいや。

そうして、岩橋くんにもまわってきて、最後は女子の私だった。

目線が私にそそがれる。

ふぅ……。

「望月羽美でふっ」

ぎゃ!?

舌かんだ……!

すると、ドッと笑いがおきた。

うわぁん、消えたい……。

自己紹介で舌かむとか恥ずかしすぎる。

「あはは!望月はおもろいヤツだな!もう一回だ!」

はい……。

よし、言うぞ。

「望月羽美です!中学のときから野球をしていました!晴聖高校ではマネージャーとして活動します!よろしくお願いします!」

ぺこり、と礼すると、パチパチと拍手。

ホッ。

なんとか言えた。

そしたら、今度は背の高い坊主の人が立ち上がった。

「僕は晴聖高校野球部のキャプテンです。これから一緒に戦いましょう!よろしくお願いします!!」

そのかけ声とともに、全員が立ち上がって

「「よろしくお願いしますっ!」」

といった。

すごい、迫力……。

私、絶対叶える。

みんなで甲子園に行ってみたい。