1年B組。

これが私のクラス。

凛ちゃんとは同じクラスになれなかったんだけどね。

入学式を終え、列に並んで、1年B組へと向かう。

担任の先生は活発そうな男の先生。

ガラッ!

教室は中学校の時よりも広く、綺麗だった。

席は……。

後ろから2番目かぁ。

やった。

「ほれー座れ座れ」

先生は、出席簿に目をうつし、

「よっし!自己紹介だ!!」

と、キラキラのスマイルでいう。

「はぁ?」「高校になってもすんのかよ」「めんどくせ」

などなど、不満がとぶ。

「まーいいじゃないか。それじゃ俺からな!俺は田所 裕大先生と言います!体育科だ、よろしくな!」

うん、元気な先生だ。

でも。

田所先生、いい人そう。

「んじゃ、出席番号1番からか34番から、どっちにしようかー」

えっ!

私、33番だよ!?

すぐにまわってくる……。

ワイワイー

「俺の気分は34番かなー、よし!じゃあ、34番の若井遥、いえ!」

もう、先生……。

「えー!先生ってば!」

わかい はるか、ちゃん。

可愛いなぁ。

「えっと、若井遥って言います!中学では吹奏楽をやってたので高校でも続けたいです!よろしく!」

うわぁ、素敵な子だな〜。

パチパチっ

「次、望月 羽美!」

……っ。

みんなの視線が私へ向く。

ドキン、ドキン。

「美人だなー」「可愛い子だねー」

みんながポツリポツリと喋るのが遠くで聞こえる。

よし、言わなきゃ。

「も、望月羽美です!」

息を吸って言う。

次にはなんて言ったらいいのだろう。

部活のこと、とか?

みんなの視線に困りながら悩んでいると。

「部活はいんの?」

って。

誰かがそう言った。

え?

だれ、ですか?

顔をあげると、みんな私を見ていて誰がなにを言ったかなんてわからない。

「あ、えと、部活は…あの、昔に野球をやっていて、それで、ここの高校は男子しかできないので、マネージャーに、なりたい、です…!」

言え、た。

「よろしくお願いします!」

ぺこり、とお辞儀をするとパチパチと小さな拍手がおこった。

さっきのは、誰だったんだろう。

「俺、野球部だからよろしく。」

隣から声がして、みると

坊主の男の子が机につっぷしてこっちを見ていた。

わあ、綺麗な顔だな。

「う、うん…!よろしくね!」

この人かな。

言ってくれたの。

助かったなぁ。

そして、隣の人のばん。

「岩橋 大輔です。野球部にはいって、卒業するまでに、甲子園行きます!」

ハキハキとその人はしゃべった。

みとれるような透き通った瞳。

うん、素敵な人だーー。