「あれ、ゆら先輩。紗友ちゃんはどこに…。」
岩橋くんを送って、学校に戻ってくると、もうそこには紗友ちゃんの姿はなかった。
「なんか、帰っちゃったみたいなのよね〜、やっぱり岩橋狙いかな?」
帰ったんだ……。
安心した、かな。
でも、岩橋くんを狙ってる、てことだよね。
嫌だな。
なんで、嫌なんだろう。
モヤモヤ……。
うぅ、やだ、このきもち〜!
このモヤモヤの正体がいまだに分からない私は部活を一生懸命頑張った。
〜〜
「それ、恋じゃないの?」
ゆら先輩にそのことを相談してみると、そう言われた。
こ、恋……?
小学校以来、してないかも。
岩橋くんは、同じクラスで、同じ部活。
結構、仲はいいほうだと思うけど…。
この気持ちの正体が"恋"なんて信じられない。
「違います!これは、恋なんかじゃ……」
私はブンブンと首をふって否定する。
すると、ゆら先輩は、
「へぇ?……まぁいつか気づくよね。」
と言ってニヤッと笑った。
スポーツドリンク、美味し。
恋、か。
目をつぶると、甲子園の光景が蘇ってくる。
絶対、行く。
恋なんてしてる場合じゃない。
「羽美ちゃん?そろそろ、休憩終わりよ。」
「あ、はい!」
私は残りのスポーツドリンクを飲み干すと、練習場所へ戻った。
帰り道。
いつもどおり、1人。
だったんだけど……、
「羽美ちゃんって綺麗だからいいよねぇ!」
……はぁ。
横には紗友ちゃんがいる。
帰りにばったり出くわしてしまった。
まだ帰ってなかったみたい。
「紗友ちゃんは、どうして今日、応援に来たの?」
私がそうたずねる。
「え、そりゃ、だいちゃんを見るために決まっとーやん。」
自信ありげに言う紗友ちゃん。
可愛すぎる。
お人形さんみたいだなぁ。
紗友ちゃんの手には小さな縦長のカバンとスクールバックがあった。
「それ、なぁに?」
私は小さな縦長のカバンを指さす。
「あぁ、これ?……そぉだ、羽美ちゃんこれから時間ありよる?」
そう言われて私はこくんとうなづいた。
そのまま連れられてついた場所は川沿いの草原だった。
川の音がサラサラと流れて気持ち良い。
そして、紗友ちゃんはそのバックからケースを取り出し、ぱかりとそのケースをあけた。
おぉ……。
そのケースには銀色のキラキラの楽器が入っていた。
綺麗。
なんだっけ、これ。
「フルートって言うんよ。」
紗友ちゃんは自慢げにそう言う。
そうそう!
確かフルート吹く人は美人が多いって聞いたことある。(※迷信です)
そのとおりじゃん!
紗友ちゃんはキラキラのフルートを口元にチョンっと当てると、スッと息をすった。
♪〜♪〜♪〜
ディズニーの曲だろうか。
知ってるメロディーを紗友ちゃんは奏でる。
1年とは到底思えないうまさだった。
ぞわり、と鳥肌がたつ。
気持ちいい、なんか、すごい。
吹き終えると、紗友ちゃんはニコリと笑った。
パチパチと、私は拍手する。
「ありがとう。」
すごいな。
紗友ちゃんは完璧な女の子だ。
私もなりたい、
そう思った。
岩橋くんを送って、学校に戻ってくると、もうそこには紗友ちゃんの姿はなかった。
「なんか、帰っちゃったみたいなのよね〜、やっぱり岩橋狙いかな?」
帰ったんだ……。
安心した、かな。
でも、岩橋くんを狙ってる、てことだよね。
嫌だな。
なんで、嫌なんだろう。
モヤモヤ……。
うぅ、やだ、このきもち〜!
このモヤモヤの正体がいまだに分からない私は部活を一生懸命頑張った。
〜〜
「それ、恋じゃないの?」
ゆら先輩にそのことを相談してみると、そう言われた。
こ、恋……?
小学校以来、してないかも。
岩橋くんは、同じクラスで、同じ部活。
結構、仲はいいほうだと思うけど…。
この気持ちの正体が"恋"なんて信じられない。
「違います!これは、恋なんかじゃ……」
私はブンブンと首をふって否定する。
すると、ゆら先輩は、
「へぇ?……まぁいつか気づくよね。」
と言ってニヤッと笑った。
スポーツドリンク、美味し。
恋、か。
目をつぶると、甲子園の光景が蘇ってくる。
絶対、行く。
恋なんてしてる場合じゃない。
「羽美ちゃん?そろそろ、休憩終わりよ。」
「あ、はい!」
私は残りのスポーツドリンクを飲み干すと、練習場所へ戻った。
帰り道。
いつもどおり、1人。
だったんだけど……、
「羽美ちゃんって綺麗だからいいよねぇ!」
……はぁ。
横には紗友ちゃんがいる。
帰りにばったり出くわしてしまった。
まだ帰ってなかったみたい。
「紗友ちゃんは、どうして今日、応援に来たの?」
私がそうたずねる。
「え、そりゃ、だいちゃんを見るために決まっとーやん。」
自信ありげに言う紗友ちゃん。
可愛すぎる。
お人形さんみたいだなぁ。
紗友ちゃんの手には小さな縦長のカバンとスクールバックがあった。
「それ、なぁに?」
私は小さな縦長のカバンを指さす。
「あぁ、これ?……そぉだ、羽美ちゃんこれから時間ありよる?」
そう言われて私はこくんとうなづいた。
そのまま連れられてついた場所は川沿いの草原だった。
川の音がサラサラと流れて気持ち良い。
そして、紗友ちゃんはそのバックからケースを取り出し、ぱかりとそのケースをあけた。
おぉ……。
そのケースには銀色のキラキラの楽器が入っていた。
綺麗。
なんだっけ、これ。
「フルートって言うんよ。」
紗友ちゃんは自慢げにそう言う。
そうそう!
確かフルート吹く人は美人が多いって聞いたことある。(※迷信です)
そのとおりじゃん!
紗友ちゃんはキラキラのフルートを口元にチョンっと当てると、スッと息をすった。
♪〜♪〜♪〜
ディズニーの曲だろうか。
知ってるメロディーを紗友ちゃんは奏でる。
1年とは到底思えないうまさだった。
ぞわり、と鳥肌がたつ。
気持ちいい、なんか、すごい。
吹き終えると、紗友ちゃんはニコリと笑った。
パチパチと、私は拍手する。
「ありがとう。」
すごいな。
紗友ちゃんは完璧な女の子だ。
私もなりたい、
そう思った。

