狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

メリークリスマス!
チリーン。

ワインで乾杯し、一気に飲み干す。頼んでいた2、3品が良い香りを運んできた。
厨房に戻る店員サンがチラッと見てから、去ってゆく。
 
飲んで食べ始めると、途端に緊張がほどけて、いつもの調子に戻っていった。

 
「別にさ……ハンカチでなくても良かったのに。そんなにケチくさく見えるのか、俺は」

「イヤイヤ。
確かにオフィスコスト節減にはうるさすぎですが…
借りをつくるわけにはいきませんよ。
“オオカミさん” に、ナニをされるか分かったもんじゃないですから」

「シツコイな、だから成人未満はオソワないって」

わざと背を伸ばし、私の頭頂をはるか上から見下ろすと、意地悪げにニヤリと笑う。

「な、何おう、私はレッキとした…」
「何だよ。それとも、ナニかして欲しいのか?」

「バカなっ!」

テーブルには次々と料理が運ばれ、もう10品くらいが所狭しと並んでいた。


「あれ?今日はイヤに控えてるな」
グラスの減りを見て、彼は私のグラスに傾かせたボトルを止めた。

「そりゃあね。
去年の二の轍(てつ)は踏みませんよ」
「……あっそ」

彼は自分のグラスだけに継ぎ足した。