狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

「……上から目線なのが無償に腹立つが…じゃ、オッケーでいいんだな?約束したぞ、絶対だからな」

念押しすると、彼は先に部屋を出た。


憎まれ口は叩いてみたものの。
私は彼の消えたドアを眺め、半ば呆然としていた。

なんてこった。
大神カチョーに誘われちゃった。

いくらお礼のお買い物&お食事とはいえ、相手がカチョーとはいえ、一応男の人と2人で歩くワケだから。
これってさ。

いわゆる『デート』ってやつだよね。
社会人になって、初めてなんですけど。

うわーーーい‼

あ、そうだ。
三上さんの方は断らなくっちゃな。




「……というわけで、スミマセン」

自慢したいのはヤマヤマだけど、あまり言うべきコトではないだろう。私は口止めの上、三上さんに事情を話した。

「ふへぇ~、大神カチョーがねぇ…
ああ、いいよ。
こっちは気にしないで」

彼は心底驚いた顔をしていたが、すぐに、いつもみたいにヘラッと笑って手を振った。

そしてもう一度、溜め息と同時に呟いた。

「大神さんが……ねぇ」