狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

「うっ。まあ…多少の妥協はしますがね」

「あっそ。そんな夢みたいなコトばっか言ってるから、未だに1人も……」 
 
言わせてなるか!
私は言葉を遮った。

「あ、そうだ。今日の仕事で説明してた人、良かったなあ。
好きだなあ、ああいうインテリっぽい人…」


今日我々は、営業部の助っ人として、公の研究施設のライン設置だか何だかの、入札説明会に行ったのだ。

今でもその担当者さんの理知的な話ぶりを思い出すと、ポーっとなってしまう。

私は自分が単純バカなので、知的なタイプのイケメンに弱い。


と、急に彼がムックリと助手席から起き上がった。

「げっ…オマエ、アレだぞ。宮仕えの公務員が全部が誠実な奴とは限らないって。
大体、銀縁の眼鏡をかけたキツネ目の男ってのは、ムッツリスケベだって決まってるんだ」

「何ですかその勝手な思い込みは……イイじゃないですか、空想なんだから。
そもそもね、エラソーに仰るカチョーだって私と一緒『カノジョなし』なんですからね。
言われる筋合いじゃないですよ~だ!」