狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

夜9時。
オフィスには、もう私とカチョーしか残っていない。
私は仕事が遅いから、カチョーは仕事が多いから。

トホホ…
身から出た錆とはいえ、
佐村サンや友達の実果ちゃん達。
今ごろは楽しそうにしてるんだろうなあ……

それに引き換え私は、カチョーとガップリ四つで残業……か。

ボンヤリした頭は、すでに集中力を欠いている。

「どうだ赤野、終わりそうか」
私は力なく首を振った。

私の打ち込みは、まだ半分ほども終わっていない。
考え事をしていたら、どこかで一行間違えてしまい、途中からやり直しになってしまったのだ。

「そうか。
な、ならちょっとでも休憩するか?
良かったらその…晩飯でも……」

ハーッ、私は溜め息を吐いた。

「ご心配なく。ちょっと前に
コンビニで買ってきましたから」

長丁場を覚悟して、ヤケクソ気味に爆買いした、でっかい袋を持ち上げて見せる。

「あ…そう……」

心持ち彼のテンションが下がった。
きっと疲れてるんだろう。
 
「ああ、カチョーも良かったらどうぞ?
何せたくさんありますからね。
コレなんかは特にお奨めでして…」

私ってば、オニにも優しい。