狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

ところが、時計が14時を回った頃だ。
今年から持ち上がりでリーダーになった水野女史が、ふと私に訊ねた。

「赤野サン。一昨日頼んだシステム入力、やった?ほら、明日10時に〆切のやつ」

「あ……れ?」  
しまった。浮かれてたから、つい…

「……忘れてたみたいね」
彼女の眼鏡がキラリと光る。

 
そんなぁ……
今からやったら残業確定、飲み会は当然キャンセルだ。

助っ人を頼もうにも、うちのグループのもう1人は今日お休みを取っている。

「水野さぁん……」
私は瞳をウルウルさせ、祈りのポーズで彼女を見つめた。

「………」
水野女史は、多少の憐れみを込めて私を見たあと、課長席を振り返った。

大神課長が顔を上げ、首をNO !と横に振る。
そしてピシッと私を指差し、最終審判を告げた。
 
「残業命令、確定だ」
「そ、そんなあ…」


クッソーー……