狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

…いやだなあ。
だってこの時間、佐村サンたちは大抵廊下に出てるから。

小さな私は、大神さんの背中に隠れるようにコソコソ歩いていた。

するとやはり、廊下の向こうから、佐村グループがやって来る。

私はきゅっと小さくなって、ひたすら早く擦れ違うのを願った。

なのに……

「やあ、佐村サン」

う、嘘っ…信じられない。
この男は何でワザワザこの人達に、
声かけたりするの⁉

「あら、大神さんに……赤野さん?」

私を見つけてあからさまに眉をしかめると、声のトーンをストンと落とす。

真っ青になっている私をよそに、彼はチャラチャラと続けた。

「俺達今から食堂なんだけど…君らは?」
「あらあ、偶然。私達もよ、ね~」

声のトーン、急上昇。

「エ。ミチル、社食飽きたから今日は外って…」
 
ドカッ。

「良かったら一緒にどう?」

得意のキラキラスマイルだ。
振り返った男性陣も、ソワソワと浮き足だっている。

対する私は真っ青に震えていた。

ヒドイよ、ヒドイよ大神リーダー。
さっきの今、
ヒトの話、全然聞いてないじゃないですか。
あんなことを言っといて……


くっそ~、このナンパ師め!
女の子には声を掛けずにいられない、てかぁ⁉

ヒドすぎる。 
何だかまた涙でそう。