狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

おもわず見とれていた私は、慌ててずり下がるように手をこいでいく。

微妙に擦れあう感じがくすぐったくて、変な感じだ。

半分くらいまできた時、私はピタリと手を止めた。

ううっ……

うら若き乙女としては、頭を抜けるのが難関だ。

い、いや考えてはいけない。
 
躊躇する私に、大神サンが訴える。

「あ、赤野。早くしてくれないか。
それと…出来ればあまり触れないで………」

「ちょ…やだっ、何考えてるんですかっ‼」
ペチンと叩く。

「てめっ……くそっ」
その拍子に、ガクリと彼は片膝を落とした。
そして何と…
左腕を肩に回し、私に覆い被さってきたじゃあないか!

「きゃっ…や、やだっ」
「動くな!」

大神さんったらこんな情況で⁉

一瞬頭を過った社内メイクラブ___




じゃなかった。

ドサッ、バラバラバラ…
 
支えを失った左の棚から、重たそうな箱が雪崩れ落ちてきた。

大神さんが苦痛に顔を歪める。

かろうじて右棚を支えた状態で、背中に直撃を受けたらしい。

「……っつぅ…」
「す、スイマセンっ」

遅れて落ちてきた小さな箱が、ポコンと彼の頭に当たった。

「い…いや、構わない。赤野はケガしてないか」

申し訳なくて、私は頷くコトしかできない。

「ならいい」
ニッと笑う。