狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

うう……

バカだった。

直撃は避けられたものの『ホープ君』その他の下敷きになってしまった私は

……動けない。

ウンウン唸ってはみるものの、自力では抜け出せそうにない。

お昼のチャイムが聞こえる頃には疲れ果て、すっかり弱気になっていた。


地下なんか、フツー誰も来ないよね…

私ってば存在感ないし、小さいし。
平田さんも課の皆も、居ないの気づかないまま、きっとお昼に行っちゃったよね。

私、ずっとこのまんまかなあ……


グラッ。
その時、また地面が揺れた。 

「ひっ…」
慌てて頭を手で庇う。

どうしよう!
このままもし大きな揺れがきたら……
え~~ん、怖いよう。


ああ、もうこの際、
女タラシのエロ上司でも誰でもいいから……

誰か、誰か私に気づいて‼

すると、どうしたことだろう。

大神さんの顔を思い浮かべたその瞬間に、外の光が射し込んだ。

「おーい赤野、いないか赤野」

テレパシー⁉
本当にタラシがやってきた!

入り口からは死角になっているこの場所から、私は必死に助けを呼んだ。

「大神さんっ、大神さん!タスケて~~」

「お?なんだ、赤野いたかぁ。どうした、まだメット見つからないのか。
俺、こないだのハンカチを……

あれ?赤野どうした、おい赤野っ」