狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

だが。
150センチに足りない私には、爪先立ちでも届かない。
重たそうな脚立をチラリと横目に見、私は横着を決めた。

小さな私は非力だが、ジャンプ力には自信がある。
 
ヨシ、届く!

私はポイントを見極めて
垂れ下がっている顎ひもめがけ、
力一杯ジャンプした。

1回目、失敗。
2回目、ヨシ。顎ひもに手が届いた!

 
しかし、やはり横着はいけない。 

担当者がサボったのか、備品庫の棚の整理は思ったよりずっと悪かったらしい。

向かいの棚と橋掛けで、ギリギリのバランスで置いてあった大昔の宣伝用着ぐるみ『ホープ君』。

メットの顎ひもをぐいっと引いた途端、
こいつが他の荷物を引き連れて、私の上に襲いかかってきたんだ。


ガラガラガラ……


ウワーーーーー‼‼