狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

「赤野……さん。
あの日以来、どうしても耳について離れない。『サヨナラ』って言った君の声が。

はじめのうちは、“この俺を振るなんて”
ってハラを立ててた筈なのに……
その後すぐに気が変わった。
春にはもう、
君と離れてしまうと思ったから。

そんなの俺は
寂しくってたまらない」


そんな…

私もです。
私もずうっとそう思ってましたよぉ…

滲む涙を必死で止める。


「だからもし。
君の『サヨナラ』で俺が次の段階(ステージ)に進めるんだとしたら
もう一回だけチャンスがほしい。

俺は………君と一緒に始めたい」


え…どういうコト?


戸惑う私を、彼は縋るように見つめた。



「もしかしたら俺、副社長(あのひと)に…
アラスカとか、ヒマラヤ連絡所とかに飛ばされるのかもしれない。

俺は寒いのは苦手だし、ムシとかも嫌いで……現地にも順応性、無いと思う」

一呼吸置く。

「そうしたら俺は、出世の可能性はゼロ、全くイケてない、友達にも自慢できない。
その上生活力までない、ダメな男に成り下がるのかもしれない。
それでも、それでも君が良かったら……

ずっと側に居て、
隣で笑っていてくれないか。

俺と、結婚して」


「大神さんっ、本当は私も寂しくって……エ?」