狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

あ……
頭のモヤがさっと晴れた。
 
いつだったかの車の中、タイプの女性の話しの時だ。

幸せを運ぶ「ザシキワラシ」は

大神さんの……ロマンスだ。


「……ねえ。そんなにボーっと見つめられても、俺困るんですけど?」

彼は垂れ目がちの目尻をスッと細めて、さらに顔を近付けた。

うわっ、マズい。

そういえば今、危機的状況の最中だった。
私は再び彼の顔を両手でグイグイ退け、訴えた。

「バ、バカな!じゃあなんで今頃になって言うんです⁉」

彼は笑顔でギュウギュウ迫りながら、私の質問に答えた。

「だってさあ…赤野ちゃん、ずっとカチョーの “本命” だったろ? 
あの人と張り合うの嫌だったから、ずっと遠慮してたんだよね。
あの人、飲んだ時とかあからさまに牽制してくるし、本当にシツコくて…」

え……

ちょっと待ってよ。


「……三上さん」
「え、何。とうとう俺の愛を受け入れる気になった?」

「いいえ。
……三上さんは一体いつから、カチョーの本命が…私だなんて思ってたんですか?」

私が遠ざける手を止めると彼も迫るのを止めて、可笑しげに話し始めた。