狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

「何でもありません。さ、部長行きましょう。帰りが遅くなりますから」

彼は、肩から大神カチョーの手を荒っぽく払い退けると、妙な雰囲気のこの場から逃げるように去っていった。

大神さんが、チッと軽く舌を打つ。

「ち、ちょっとおお‼カチョー、アンタ何やってくれてんですかぁ~~⁉
あの人の検査、すっげえ厳しいんだから!だからボクはいつもヘーコラと…」

ふだんはノンビリした平田さんが、アワをくって課長に詰め寄った。

「悪い……フォローはするから…」

しかしカチョーは、袖を掴む彼の手を引き剥がすと、フラりと部屋を出ていってしまった。


ザワめく課内。

気の毒な平田さん。

そして何故か、ガッツポーズの三上さんと水野さん。

私はといえば………

それどころじゃない‼

あのカチョーが、やらかしちゃった。

多分それは……私のせい。

大変だ!

私はパッと席を立ち、慌てて後を追いかけた。


「カチョー、待ってくださいよ~~」